2026 vol.15 G&U 12 特集 道路陥没事故と管きょ・マンホールのメンテナビリティ 提言を具体策に落とし込む検討会 ―先生が委員長を務められている「下水道 管路マネジメントのための技術基準等検討 会」の位置づけは。 対策検討委員会の第 2 次提言では、リダン ダンシーとメンテナビリティという二つの柱 を立てました。これらの実現に向けて、技術 的な基準の見直しなどを検討するのが管路マ ネジメント検討会です。その意味では、対策 検討委員会の提言を具体化していく役割だと 言えるでしょう。 基準の見直しでは、どういった点検を行う べきか、どんな構造であれば人間や機材が出 入りしやすいか、といった検討を行っていま す。一方で、「仕組み」の見直しも検討事項 の一つだと考えています。 例えば管内の点検は、自治体による予算計 上の都合から、ドローン調査よりも人が入っ て調査する方が安価になります。しかし、作 業者が危険な目にあうのでは、持続的な点検 調査は不可能です。このような制度面を見直 し、より安全な仕組みを構築することも、メ ンテナビリティの向上策の一つです。 ―管路のメンテナビリティに関しては、対 策検討委員会の第3次提言で「事故時等の社 会的影響の大きい重要箇所」での対応が強調 されています。 管路マネジメント検討会では、点検にせよ 改築にせよ「全ての管路を対象とするのは難 しい」という前提に立ち、重要管路と枝線を 区分したうえで対応を検討し、今年 1 月に中 間整理を公表しました。この重要管路が、口 径が大きい、あるいは緊急輸送道路や鉄道軌 道下といった社会的影響の大きい管路となり ます。 さらに、重要路線の中で「要注意箇所」を 定め、点検の高頻度化や高度化を求めること としました。判断基準は、硫化水素が発生し やすい、管きょとマンホールとの接続部に構 造的な弱点がある、地盤条件が良くないと いったリスク要因の有無です。化学的・力学 的・地盤的という 3 つの弱点要素が重なった 箇所では、特に点検頻度を増やすこととして います。 つまり、重要管路の要注意箇所は「事故が 起こりやすいうえに社会的な影響が大きい」 ということです。そういった箇所の点検頻度 を高める、点検方法を高度化するといった対 応は当然のメリハリであり、必要な措置だと 考えています。 点検可能な間隔・構造が不可欠 ―1月の中間整理では、メンテナビリティ の確保・向上策として「マンホールの間隔や 構造の見直し」が挙げられています。 一般的な管路の場合、マンホールはおよそ 30m間隔で設置されています。ただ、推進 工法やシールド工法の場合、道路交通量や河 川横断などの状況を踏まえて1km以上の施 工を行うケースもあり、マンホールの間隔は 長くなりがちです。そうした箇所が調査困難 箇所になるわけです。 八潮の事故現場では 600m ほどのスパンで マンホールが設置されていましたが、管内の 水量が非常に多く、硫化水素も充満しており、 人が入るのはほぼ不可能でした。事故後の調 査にはドローンを使いましたが、中間にもう 1基マンホールがあれば、もっとスムーズな 調査ができたかもしれません。 こうした反省を踏まえて、特に重要管路に ついては割り込みマンホールを設置するなど、 点検が適切に行える環境を速やかに整えるべ きだと考えています。交通量の多い車道のマ ンホールについても、脇の歩道に点検用の割 り込みマンホールを設けることを検討すべき でしょう。こうした取り組みは、管きょの改 築を待たずに実施すべきです。 ―マンホールの構造や大きさについては「古 いものでは現在の規定を満たしていない、ま
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