2026 vol.15 G&U 17 全国特別重点調査に取り組む中で見えてきた管きょとマンホール蓋の課題 技術が不可欠です。すでに船体型の浮流式カ メラや飛行式ドローンなど、さまざまな新技 術が提案されていますから、これらのいっそ うの発展、改良に期待しています。 急がれるシールド管の評価基準確立 ―重点調査実施の通達から3ヵ月後(令和 7年6月)、管路協さんは重点調査に関して7 項目、今後の下水道管路管理のあり方に関し て5項目の要望を国に提出されました(別表)。 その背景を聞かせてください。 大きな事故が起き、下水道の管理に対する 住民の方々の不安が高まっていましたから、 管路管理を担う当協会の立場として、的確に 対応しなければという危機感がありました。 また、調査の手法にやや不明確さがあると受 け止めたことや、早急かつ安全確実に遂行す る具体的なやり方を、国交省さんときちんと 協議して会員の皆さんに情報を伝える必要が あると考えたためです。 ―要望のポイントを教えてください。 重点調査に関しては、さまざまな課題が想 定される大口径管路の調査ですから、安全対 策も含め不案内な自治体は多いと考えられま す。そこで、大都市などの先行事例を参考と して示していただけるよう要望しました。打 音調査については、専門外の領域も含まれて いるため、技術的な助言もお願いしました。 また、ヒューム管や塩化ビニル管とは構造的 にまったく異なる、シールド管の評価基準を 早急に明確化していただく必要もあります。 さらに、技術者や作業員の不足が心配される ため、効率的な調査方法の検討をお願いした ほか、管内に足場や脚立の設置が必要になる など、大口径管特有の現場事情も考慮した適 切な設計・積算をしてもらえるよう求めまし た。このほか、安全面で調査が困難な箇所に ついては、調査実施に代わる措置を検討して いただくことや、限られた機材や人員、日数 で無理に作業をすることにならないよう、柔 軟な対応をお願いしたところです。 ―シールド管の評価基準が不明確な現状に ついて、少し詳しくご説明いただけますか。 シールド管は構造部材のセグメントを円形 に組んでトンネルを構築し、一般的にはその 内側に無筋のコンクリートで二次覆工して仕 上げます。ですから、例えば表面だけのクラッ クは強度に影響が出ませんが、その先の構造 部分にまで損傷が及んでいるかは、目視やカ メラ画像だけでは判断できません。しかし現 状ではヒューム管などの評価方法に準じて現 場で個々に判定するしかないため、シールド 管の健全度を的確に判定できる評価基準を少 しでも早く明確化していただく必要がありま す。 新たな管路マネジメントの展開へ 技術者の確保・養成、新技術導入がカギ ―今後の管路マネジメントに関しては、ど のような要望をされたのですか。 シールド管と同様、矩形渠(ボックスカル バート)も調査の際の評価基準がまだ明確化 全国特別重点調査及び下水道管路管理に関わる要望書 (令和7年6月3日 日本下水道管路管理業協会) Ⅰ 全国特別重点調査の安全かつ円滑な実施に向 けて 1. 大口径調査先行事例の参考提示 2. 空洞調査及び打音調査に関する技術的助言 3. シールド工法による管きょの評価基準等の明 確化 4. 調査の効率化 5. 調査委託における適切な設計・積算 6. 調査実施困難箇所の把握・整理 7. 調査期間の延長 Ⅱ 下水道管路のマネジメントのあり方に関して 8. 矩形渠等の評価基準の明確化 9. 新技術導入の後押し 10. 労務単価の引き上げ 11. 今後の管路管理の方針等 12. 民間団体との意見交換等
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