G&U技術広報誌vol.15

2026 vol.15 G&U 19 全国特別重点調査に取り組む中で見えてきた管きょとマンホール蓋の課題 が約15年と、管路本体に比べ更新周期が非 常に短いですよね。数も多いので日ごろの点 検や状態監視だけも大変な手間です。それな らば、防食処理がされた蓋のように高性能な 製品を採用して、劣化を遅らせることも一つ の工夫でしょう。管きょも内面被覆などで腐 食を防ぎますが、マンホール蓋はもともと錆 びる物ですから、特にしっかりした対策が求 められます。マンホールに限らず管路全般に おいて、維持管理しやすい資材、腐食に強い 資材を取り入れる考え方は大切ですが、特に マンホール蓋の場合、これから先駆的にさま ざまな取り組みが期待されるでしょう。 ―国の検討会では、管路の維持管理性向上 のため、防食性能の確保とともに「多機能型 マンホール蓋の設置」や「マンホールの大き さの見直し」も検討事項に上がっています。 多機能型マンホール蓋は、内側に取り付け たセンサで管内の状況を把握したり、その情 報を通信回線で送信したりできるものですね。 すでに東京都では導入され、現在はおもに管 内の水位や流速のデータ収集に使われていま す。硫化水素濃度の測定も試験的に行われて いると聞きますが、こうした機能を活用する ことで日常的な管理業務の効率化、省力化を 図ることができるはずです。 マンホールの大きさは管理上の影響大 場所や用途に応じて適宜使い分けを ―「マンホールの大きさの見直し」は、維 持管理上どのような影響があるでしょうか。 直径60cmの一般的なマンホールを、例え ば90cmに拡げるようなイメージでしょうが、 大きな資機材の搬出入や緊急時の作業員の退 避などを考えれば、開口部は大きい方がいい ことは間違いありません。今でも伏越し部の マンホールなどには大きな蓋が使われていま すね。場所や用途、構造などをしっかり考え て配置していかなければいけません。これも メリハリ、使い分けが大事です。 ―最後に、自治体の方々にメッセージをお 願いします。 これから各地で下水道施設の老朽化問題が 浮上してきますし、大都市ではもう大きな課 題として直面しています。ただ、膨大なストッ クをいかに適切に維持管理していくか、判断 が難しい面があるかもしれません。 八潮の事故を契機に、管路の維持管理のあ り方を見直す機運が生まれ、国での検討が進 む中で、新たなマネジメントの基準や考え方、 方向性が示されつつあります。それらを参考 に、同様の事故が二度と起きないよう、また、 将来にわたり下水道の機能をしっかり確保し ていけるよう、自治体の方々とわれわれ業界 が連携して、維持管理に取り組んでいければ と願っています。 ―どうもありがとうございました。 P R O F I L E 【きたむら・たかみつ】 平成元年東京都下水道局入局。計画調整部技術管 理担当課長、流域下水道本部技術部工事課長、建 設局土木技術支援・人材育成センター長、日本下 水道新技術機構研究第二部長、南部下水道事務所 長、西部第二下水道事務所長、第二基幹施設再構 築事務所長などを歴任し令和7年3月退職。同年 4月日本下水道管路管理業協会採用後、同年6月 より現職。

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