G&U技術広報誌vol.15

2026 vol.15 G&U 22 特集 道路陥没事故と管きょ・マンホールのメンテナビリティ 目標を設定したうえで(図1)、これから AB-Cross をはじめとする技術開発事業に反 映し、開発を促進するという流れです(図2)。 ただ、既存の技術情報を体系化するだけで は不十分で、現場の知見を技術開発に還元し ていくところにまで関わるべきだと考えてい ます。新技術をユーザー、つまり自治体や企 業に使ってもらい、そこで見つかった改善点 を持ち帰って、次の技術開発につなげていく。 そうしたサイクルこそが必要だと思いますの で、今後の方向性として「技術開発の仕組み」 を提言することを考えています。 製品やサービスの開発者とユーザーは別々 のことが多いですが、使いやすい技術を開発 するためには、ユーザー側の意見をもっと重 視するべきだと思います。ベータテストのよ うな仕組みを構築できれば、「市場に投入し たものの実装が進まない」という問題も起こ りにくくなるはずです。 自治体がそういったフレームを構築できれ ば理想的でしょうが、そこに割けるリソース や開発者側のビジネスを考えると、壁は相当 に高いと言わざるを得ません。しかし、もし 全国的な仕組みができたらどうでしょうか。 ビジネスのスケールも大きくなりますし、各 地の技術者から意見を募ることも可能です。 使う側と作る側が協力し、新しい価値やイ ノベーションを創出することを「Co-イノ ベーション」と呼びます。この概念を下水道 に持ち込み、大きな仕組みを作ることができ ればと考えています。 自己主張するインフラの可能性 ―ニーズに応じて技術情報の整理を進めて いるとのことですが、どのような分野が対象 なのでしょうか。 会議の前提として八潮の事故や全国特別重 点調査における課題があるので、まずは点検・ 調査に関する「見えないものを見るための技 術」、具体的にはドローンや光ファイバーな どが中心になりました。自治体の意見を踏ま え、管内面の腐食対策や補修方法についても 情報の整理を進めています。 技術が完全に確立されているわけではない 開発目標の骨子(案) 主な技術 目的 技術カテゴリ 飛行距離、曲線飛行、位置計測、防水性、ひび割 れ幅測定精度、硫化水素濃度測定等について機 能向上 (第1回推進会議及び第3次提言(案)より) 【今回重点議論】 ※第1回推進会議で提案のあった圧送管調査及び清 掃に係る技術については別途検討 飛行式ドローン 浮流式カメラ 水上走行式カメラ 管内の水位や流速などにより人が近づけない、もしく は現状の技術では調査が容易ではない箇所(調 査難所)を調査可能とする A-1 調査難所の克服 A 目視調査 人が管路に入り調査している箇所(潜行目視)を、 人ができる限り入らずに、潜行目視と同程度の精 度で効率的に調査可能とする A-2 管内No Entry (管内に入らない) 管路内面のコンクリートの湿度や表面粗さを踏まえ た測定結果の精度向上や調査手法の開発 (第3次提言(案)より) 打音調査 3D化技術 目視調査で把握できない劣化を把握可能とする B-1 管厚・強度測定 B 目視調査 との組合せ 技術 ・管路周辺の探査可能範囲の拡大 ・管路の部材圧、配筋を踏まえた調査技術 ・路面下の大深度の空洞を捉える技術の開発 (第3次提言(案)より) レーダー探査 深い位置に埋設された管路周辺の空洞を探査可 能とする B-2 空洞調査 (今後検討) 路面変状把握 光ファイバーセンサー テクニカルな「見える化」(「見るべきものを見えるよ うにする」)によりリスクを見逃さない メンテナビリティを向上させる C センシング・モニタリング (今後検討) AI画像診断 作業の省力化・無人化 D データ活用(AI画像診断) ・シールド管(管径3m以上程度)に対する更生 工法の設計手法(二次覆工の強度評価等)の 確立 ・更生工法の無人化の実現可能性は低いため、水 位を下げることが現実的 (第1回推進会議より) 更生工法 シールド工法等で施工された大口径管の改築技 術を標準化する(現状は一件ごとの個別対応) E 管路更生 海外技術や他分野技術など、幅広い視点で有効な技術の活用を検討する(第3次提言(案)より) 【図1】技術カテゴリごとの対象技術と開発目標の骨子案

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