G&U技術広報誌vol.15

2026 vol.15 G&U 23 下水道管路メンテナンス技術の高度化・実用化に向けて ので、先ほどの「今後の技術開発の方向性」 の一環になるかもしれませんが、推進会議と して「施設の側から情報を発信する技術」を 取り上げることもあり得ると思います。“自 己主張するインフラ” とでも呼ぶべきでしょ うか、こちらが取りに行かなくても、自らの 状態や状況を伝えてくれるような技術ですね。 東京都で採用されている多機能型マンホー ル蓋はその一つです。これから取得できる情 報の種類が増えていき、管内環境や下水の状 況をすみずみまで把握できるようになれば、 少なくとも点検・調査に関しては「管内No Entry」が実現できます。 今後の広域化の進展を見据えても、管路の 維持管理における多機能型マンホール蓋の活 用は非常に有効だと考えられます。おそらく 担当者は減り、現場はますます遠くなってい きますので、遠隔監視が維持管理の要になる。 そのための機能はマンホール蓋に持たせるの が効率的であり、また現実的だと思います。 新技術導入で付加価値を とりわけマンホール蓋は、下水道の世界の 中だけでなく、外に向けた情報発信ツールと して最もわかりやすい下水道施設だと言えま す。地上に表出しているので電波が届きやす く、町中にあり、誰でも見ることができる。 こうした特性を生かし、QR コードや AR(拡 張現実)技術との連動による観光誘致であっ たり、蓋の写真を撮影することでポイントが もらえるスマホアプリであったりと、市民と 関わり合うような発想の取り組みも出てきて います。 そうした付加価値や高機能化の考え方を、 老朽化対策にもとり入れていくことが必要で はないかと思います。より適切な改築ができ る、維持管理の効率が上がるなど、トータル でプラスになるような新技術は数多く存在し、 少し長い目で見れば投資に見合うだけの回収 は可能です。古くなったから入れ替えるとい うだけでなく、ぜひ新しい製品やサービスの 導入を検討していただきたいです。 ―ありがとうございました。 【図2】開発優先度などを踏まえた取り組みの方向性案 3 技術開発優先度・開発の進捗度 技術カテゴリ ・調査難所の克服は、管路メンテナン スにおける最重要課題であるため開 発優先度が高い (調査難所の克服技術により管内No Entryも達成可能) ・飛行式ドローン等の技術開発・実用 化も進みつつある A-1 調査難所の克服 A 目視調査 A-2 管内No Entry (管内に入らない) ・目視で把握できない状態を捕捉する ため、複数手を組み合わせて調査を 実施することを国の基準として新たに 定めるよう検討中であるため開発優 先度が高い B-1 管厚・強度測定 B 目視調査との 組合せ技術 B-2 空洞調査 ・開発段階・研究段階の技術シーズを 発掘し、実証段階へ発展させる必要 C センシング・モニタリング 主にAB-CROSSで 開発促進 主に応用研究・科研費で 開発促進* ・活用方法の明確化と技術水準等の 整理等が優先課題 D データ活用(AI画像診断) ・設計手法(二次覆工の強度評価 等)の確立が優先課題 E 管路更生 別途、専門的な検討の場を設け、技術開発の 前段として必要な検討を実施

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