2026 vol.15 G&U 26 特集 道路陥没事故と管きょ・マンホールのメンテナビリティ 通常点検では、外観から破損や劣化、機能的 な異常等がないかを見て、動作状況を確認し ています。また、異常が確認された場合に、 現場に駆けつけて緊急点検や修繕することも あります。 バッテリーは、通信間隔によりますが、交 換頻度が1年間に1回程度と、長期間にわ たって使用できます。また、強度、耐久性、 耐水性はいずれも公道上の使用を想定した規 格を満たしており、大型車両が上を通過して も問題ないことを確認しています。 効率的な雨天時浸入水対策に活用 大雨時の被害拡大の防止にも貢献 ―設置状況は。 多機能型マンホール蓋の設置箇所は、①流 域下水道幹線と公共下水道の接続点、②市町 村の境界地点、③過去に溢水が発生した箇所、 の3つです。令和2~3年度の2ヵ年で計 37 ヵ所に設置しました。 ―設置した多機能型マンホール蓋をどのよ うに活用していますか。 一つは全国的な課題となっている雨天時浸 入水対策への活用です。雨天時浸入水は、降 雨時に分流式下水道の汚水管に雨水が流入し、 人孔からの溢水が発生したり、水再生セン ターの水処理機能へ影響を与えたりするもの です。 多摩地域は、主に東京都下水道局が管理す る流域下水道と市町村が管理する流域関連公 共下水道で構成されていますが、このうち約 8割のエリアで分流式下水道が採用されてお り、雨天時浸入水対策が求められています。 このため流域下水道本部では、多機能型マ ンホール蓋を活用し、市町村と連携した効率 的な雨天時浸入水対策に取り組んでいます。 多機能型マンホール蓋の設置箇所ごとに、晴 天時と雨天時の流入量の差分から、雨天時浸 入水の特性や傾向を把握することで、流域下 水道の広大な範囲から発生源の絞り込みにつ なげています。また、絞り込んだ箇所につい ては、市町村と連携し、詳細な調査を行って います。 もう一つが危機管理への活用です。令和5 年6月の台風2号に伴う大雨では、雨天時 浸入水により下水道管内の水位が急上昇し、 人孔から溢水する事象が発生しました。その 際、多機能型マンホール蓋の計測データから 水位上昇を把握し、市町村とも連携しながら、 緊急出動により人孔周囲に簡易止水板を溢水 前に設置して周辺住宅地等への被害拡大を防 ぐことができました。 台風時の水位予測など、蓄積データの 活用も 技術的には硫化水素濃度の測定も可能 ―蓄積している測定データを活用すること 簡易止水板を設置した現場対応の状況 設置箇所のイメージ
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