G&U技術広報誌vol.15

2026 vol.15 G&U 36 リポート 【 寄稿 】下水道用鋳鉄製マンホール蓋製造者が望む マンホール蓋の性能および維持管理 ~埼玉県八潮市での道路陥没事故を踏まえて~ 一般社団法人日本グラウンドマンホール工業会 事務局長 大石直豪 1.【安全性確保】JSWAS規格に基づい た「防食性能」の普及促進 日本下水道協会の鋳鉄製マンホール蓋製品 規格 JSWAS G-4は、腐食環境下における防 食表面処理されたマンホール蓋を適切に普 及・使用できるよう、令和5年(2023年) に改正・拡充されました。改正以前は、メー カー各社が独自に設定した防食表面処理性能 を基に「防食性能」を称していましたが、同 規格の改正により、防食性能の試験方法や性 能基準が明確化され、協会の審査・認定を取 得することでマンホール蓋の防食性能が確実 に担保される仕組みとなりました。 これは、平成 27 年(2015 年)の下水道法 改正により、腐食環境下の下水道管路施設の 点検が「5 年に 1 回以上」義務付けられたこ とを背景に、点検対象外であるマンホール蓋 においても腐食の進行が確認され、下水道事 業体から防食性能の規格化を求める声が多く 寄せられたことに応えたものです。 一方で、現場では依然としてマンホール蓋 八潮市の道路陥没事故は下水道管の腐食に 起因するものでしたが、計画的な更新・維 持管理が必要なのはマンホール蓋も同様で す。腐食環境下等において求められる性能 や適切な維持管理のあり方について、日本 グラウンドマンホール工業会の大石直豪氏 に整理していただきました。 の点検が十分に行われないケースも散見され ます。腐食による減肉が進行したマンホール 蓋の残置は、破損や飛散による重大事故のリ スクをはらんでおり、報道に至らないレベル の事故も含め、実害が報告されています。 さらに、「下水道等に起因する大規模な道 路陥没事故を踏まえた対策検討委員会」の第 2次提言では、下水道施設の点検・調査など の維持管理を容易に行えるよう、配置・構造 を改善しメンテナビリティを向上すべきと示 されています。特に、施設の改築・再構築等 の機会に、防食性能を確実に確保することの 重要性が強調されています。 マンホール蓋は点検・調査の “ 入口 ” であ り、維持管理作業の要であるにもかかわらず、 近年は腐食による固着により蓋が開かず、そ もそも管きょ点検が実施できないケースが増 加しているとも聞いています。また、固着し た蓋を無理に開けた際に段差・がたつきが発 生する事例も報告されており、腐食環境下で は防食対策が必須といえます。 以上より、腐食環境下に設置されるマン ホール蓋については、日本下水道協会の認定 を取得した防食性能を有する製品を適切に選 定・普及いただくことを強く望みます。 2.【維持管理の効率化】点検作業性を 考慮したマンホール蓋サイズと設置 間距離の見直し 八潮市の道路陥没事故後の調査や、その後

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