G&U技術広報誌vol.15

2026 vol.15 G&U 8 特集 道路陥没事故と管きょ・マンホールのメンテナビリティ キーワードとして、一つは第 2 次提言の説 明でも申し上げた、点検と再構築における「メ リハリ」です。これがあらためて強調されま した。もう一つのキーワードは「見える化」で、 管理者や担い手にとってのテクニカルな意味 の「見える化」と、これまで見えなかったイ ンフラの実態を市民にしっかりと公開し、使 用料負担などの理解につなげていくといった 2 つの意味が込められています。 合わせて第3次提言では、「メリハリ」と「見 える化」の考え方を、上下水道に限らず、イ ンフラ全体のマネジメントのあり方として展 開していくべきとの考え方も示されました。 ―第3次提言では、インフラマネジメント のあり方として、「メリハリ」「見える化」に 加え、「現場に『もっと光を』」や「モーメン タム」といった印象的なフレーズも盛り込ま れました。 八潮の事故を受けていくつかの自治体を訪 れ、ドローンなどの新技術を使った調査の現 場視察や、課題のヒアリングを行ったのです が、それを踏まえて個人的にも大事だと感じ たのが、第 3 次提言にも盛り込まれた「現場 に『もっと光を』」です。文字どおり、エッ センシャルワーカーに光を当てるという意味 もありますが、人材の確保をもっと意識すべ きといった思いも込められています。人の配 置を効率化して可能な限り自動化を導入する とともに、適正な経費の積算に重点を置くこ とで、担い手が離れずにしっかりと働ける。 この世界の実現が大事だと考えています。 「モーメンタム」は、機運や勢い、推進力 といった意味がありますが、八潮の事故を教 訓に、これを今後も維持して高めていかなけ ればなりません。特に下水道は「見えない世 界」と言われ続けてきましたが、見えない世 界には人やお金も集まってきません。八潮の 事故が起こったことはとても痛ましいことで す。同時に、政治やメディアなど世間から注 目を集めている現状をもっと人材やお金を確 保できる機運と捉え、これを失わないように していかなければならないと考えます。 新技術の普及促進へ、環境整備に注力 地域企業とベンチャー等企業のマッチ ングも ―「現場にもっと光を」や「モーメンタム」 の実現に向けても、新技術の普及促進は大き なカギを握っていると思います。新技術の導 入を進めるうえで、どのような点が大事だと お考えでしょうか。 いろんな観点があると思いますが、一つは “環境整備”だと思います。新技術の普及に 向けた環境整備については、委員会の提言を 踏まえ国交省が設置した「下水道管路メンテ ナンス技術の高度化・実用化推進会議」(委 員長:加藤裕之・東京大学大学院特任准教授) の中でも、技術開発に加え、自治体が発注す る際の標準仕様書の作成やビジネスモデルの 構築の重要性を認識し、議論を行っていると ころです。 地域企業と新たな要素技術を持つベン チャーなどの企業のマッチングも大事だと思 います。国土交通省でも同様の趣旨で「スター トアップチャレンジ」という取り組みを行っ ていますが、福岡市など自治体ベースで実施 しているところもあると聞いています。特に 管路管理の事業者はそうした出会いの機会が 少なく、情報収集も苦労されていると聞いて いますが、そこを国や自治体が結びつけるこ とで、新技術が導入しやすくなる環境をつ くっていければと考えています。 中小自治体を含め管路マネジメントに 本腰を 県や大都市を核とした広域連携にも期待 ―管路のインフラマネジメントについて自 治体に向けてメッセージがあればお願いしま す。 これまで下水道分野の維持管理では、多く

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