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マンホール蓋に関するよくあるご質問

1.マンホール蓋の腐食について

防食対策について

マンホール蓋の防食対策について教えてください。

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【対策】
金属分野の防食工法は、一般的に「被覆防食」「材料置換(耐食金属)」「電気防食」「インヒビター(防腐剤))」の4種類に大別され、このうちマンホール蓋には主に被覆防食が使用されています。被覆防食には、主に「塗装」「めっき」「溶射」「ライニング」があります。このほか、管路内の環境と蓋近傍の環境を遮断することを目的に、ふたの内側に「中ふた」を設置する手法も近年採用されています。


【試験・評価方法】
マンホール蓋の防食工法については規格等が存在しないため、性能を評価する試験方法の確立が求められています。実用金属を対象とした腐食試験としては、塩水噴霧試験や複合サイクル試験が一般的でありますが、いずれの試験でも塩化ナトリウム水溶液が使用され、塩害による大気腐食等に適用されています。下水道環境では、腐食試験で実績のある硫酸水溶液を用いた浸漬試験方法の研究が進められています。

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【関連資料】

「マンホールふたの腐食対策」(当社発刊)

「管路施設における金属の腐食対策の最新動向」(当社発刊)

原因について

マンホール蓋が腐食する原因について教えてください。また、腐食するとどのような問題が発生するのですか?

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【原因】
当社は、現地調査を実施し、硫化水素ガス濃度が鋳鉄の腐食速度に及ぼす影響について研究しています。調査の結果、硫化水素濃度が高い場合は、蓋裏表面に付着する結露水が酸性であったことから硫化水素から硫酸が生成されていることが確認されました。また、硫化水素ガス濃度が高いほど腐食が進行することが確認されました。また、鋳鉄の腐食は硫酸だけでなく、水と酸素があれば進みます。つまり、湿度が高く、結露が発生すれば腐食が進行します。湿度の影響について調査の結果、硫化水素濃度が0.1ppm程度と低い場所でも、結露が発生していれば、海岸付近の腐食量に相当する事例があることが確認されています。


【問題】
マンホール蓋が腐食すると、減肉による強度の低下や、ロックの脱落などが発生することがあります。また、蓋と枠の合わせ面が腐食すると固着して蓋が開きづらくなったり、蓋と枠のかみ合わせが悪くなり、蓋が浮上して段差ができたり、ガタツキが生じたりします。著しく腐食した蓋に車や歩行者が乗ると、蓋が反転したり、飛散したりする事故が発生することもあります。

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【関連資料】

「腐食環境下におけるマンホールふたの維持管理」(当社発刊)

「マンホールふたの腐食対策」(当社発刊)

「管路施設における金属の腐食対策の最新動向」(当社発刊)

「マンホール内の湿度や硫化水素濃度の変化によってどのように鉄ふたが腐食するのか」(月刊下水道 2018年5月号)

維持管理方法について

腐食の進行度を評価する方法について教えてください。

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腐食が進行すると錆が表面に堆積するので、元の形が分かりにくくなります。また、腐食の進行が激しければ金属部が減肉してしまいます。このような蓋裏の変化を目視で確認して評価する方法があります。また、金属同士が接触している面が腐食すると固着してしまうことがあります。きちんと固着せず蓋の開閉ができるか、ロック等が動かなくなっていないか評価する方法があります。この方法は公益社団法人日本下水道協会の「下水道管路施設の点検・調査マニュアル(案)、平成25年6月」に記載されています。その判定基準は、鋳出し表示の消滅具合による目視判定です。
そのほか、寸法の測定結果から定量的に腐食の進行度を評価する方法が研究されています。

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2.豪雨時の問題について

舗装の破損や浮上について

最近は、豪雨時に蓋が外れる飛散事故だけではなく、マンホール周辺の舗装が破損したり、アスファルトが浮上する問題が多く発生しています。被害が発生する原因とマンホールの対策について教えてください。

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【原因】
管路内に急激に雨水が流入することでマンホール内の圧力が高くなること、かつモルタル調整部に隙間が生じたり、マンホール本体の耐圧強度が不足している場合に、マンホール側面の接合部から空気や水が漏れだし、周辺舗装が破損・浮上することがあります。
マンホール蓋の浮上・飛散現象の発生要因については公益社団法人日本下水道協会発行の「下水道マンホール安全対策の手引き(案)、平成11年3月」に記載されています。


【対策】
マンホール蓋表面に多数の穴が開いた格子蓋を使用したり、マンホールに排気口を設置することで排気能力を高め、内圧を低下させることができます。またこの対策と同時にモルタル調整部に収縮しづらい材料を使用したり、マンホール本体の耐圧強度を増すために高強度アンカーを採用するなどの対策が行われています。近年、マンホール蓋に異常が生じていなくても、周辺舗装やマンホールの躯体ごと浮上・飛散してしまう事象が発生しています。このような被害の再発防止対策のためには、マンホール全体の耐圧設計をあらかじめ念頭においた検討が必要です。

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【関連資料】

「豪雨時における管路施設の内圧対策」(当社発刊)

「圧力状態を許容した管路施設の設計流入量を把握し、排気装置やふたで対応」(当社発刊)

「設計指針に「マンホールふた」を独立したセクションとして設定-設置環境に応じた適切なマンホールふたの選定について-」(当社発刊)

「ゲリラ豪雨によるマンホールふた飛散事故の発生現状と防止技術のいま」(月刊下水道 2016年6月号)

3.スリップについて

スリップ防止対策について

二輪車等のマンホール蓋でのスリップ防止対策について教えてください。

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走行安定性の低い二輪車のスリップ防止のために、蓋表面のすべり抵抗を、舗装面のすべり抵抗に近づけるように開発が行われています。特に雨の日等の濡れた状態では、タイヤと蓋表面との間に水が介在することで、鋳鉄製の蓋と舗装とのすべり抵抗の差が大きくなります。一般的に、蓋表面に独立した突起を均等に分散配置した表層デザインにより、蓋表面が水に濡れた状態でもすべり抵抗を舗装に近づけるような開発が進められています。
また、高齢化社会に向けた公共施設のバリアフリー化が求められる中で、歩道に設置されるマンホール蓋についても性能基準が検討されています(参考:公益財団法人 日本下水道新技術機構、「効率的なストックマネジメント実施に向けた下水道用マンホール蓋の設置基準等に関する技術マニュアル」、2020年3月)。

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【関連資料】

「二輪車を中心にタイヤのすべりを考える」(当社発刊)

「マンホールふたのすべりについて」(当社発刊)

維持管理手法について

車のタイヤと同じように、スリップサインが付いた蓋はありますか?

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マンホール蓋にはスリップサインが付いているものがあり、取り替えの目安とすることがあります。これは、車のタイヤが摩耗した場合と同じように、蓋表面の模様が摩耗すると特に走行安定性の低い二輪車はスリップしやすくなるためです。蓋表面の残存模様高さが3㎜になると取り替えの目安とすることが一般的です。
模様高さによる判定基準は、公益社団法人日本下水道協会の「下水道管路施設の点検・調査マニュアル(案)平成25年6月」に記載されています。残存模様高さが3㎜以下の場合は「C判定(計画的な改築(取替)が必要なレベル)」とされ、2㎜以下の場合は「A判定(危険度非常に大、緊急に措置(改築)が必要なレベル)」とし緊急的な取り替えが必要と記載されています。

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4.マンホール周辺舗装のひびや段差について

ひびや段差対策について

マンホール周辺のアスファルト舗装において、ひび割れや、段差の発生を防止する対策について教えてください。

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マンホール周辺部は大型重機での施工が困難なため、人力の施工となってしまいます。そのため、施工時の締固め不足が起こりやすく、設置環境によっては不等沈下によりひび割れが生じたり、段差が生じることがあります。対策としては、段差すりつけ工法やパッチング工法、オーバーレイ工法等による補修などがあります。また、マンホール蓋の枠形状を工夫する(突起を少なくする等)ことで締固めをしやすくしたり、マンホール蓋の取り換え時にはマンホール周辺舗装に早強性・高強度の材料を使うことで耐久性を向上させる方法があります。

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5.マンホール蓋からの直接浸入水について

マンホール蓋からの浸入水量と対策

マンホール蓋からの浸入水はどのくらい入りますか?また、蓋からの浸入水対策について教えてください。

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【浸入水量】
当社では、冠水実験装置と路面流水実験装置を用いて、代表的なマンホール蓋タイプ別に実験を行い測定しています。実験の結果、旧式マンホール蓋は、現行マンホール蓋と比較して浸入水量が非常に多く、特に低地盤で冠水しやすい場所や路面に対して蓋が沈下している条件では、浸入水量が多くなることが分かっています。実験概要と浸入水量は、ダウンロードページのデータをご覧ください。


【対策】
直接浸入水の発生源対策としてマンホール蓋の交換やマンホール蓋の高さ調整部の再施工があります。浸入水を防ぐには開口部を減らす必要がありますが、一方で腐食環境において密閉蓋の採用などにより完全に密閉してしまうと換気ができず、管内環境が悪化する問題が指摘されています。また、応急的にふた穴にゴム栓で塞いだり、シーリングする方法があります。しかし錠機能がない旧式マンホール蓋において、ゴム栓等の対策をすると豪雨で内圧が上昇したときに蓋の外れ等が生じることが知られています。環境に応じた適切な対策の選定が必要です。

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【関連資料】

「雨天時浸入水に関する最新研究 マンホール蓋からの雨水流入に関する最新情報」(当社発刊)

その他のご質問

1.試験業務について

G&U技術研究センターでは、どのような試験ができますか。

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以下のページを参照ください。
輪荷重走行試験
耐疲労性・耐衝撃性試験
水理試験
管更生材試験
耐スリップ性試験
環境試験
物理特性試験

試験に関するお問い合わせはこちら

2.見学について

G&U技術研究センターの施設見学はできますか。

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当社では定例の見学会を開催しております。見学の概要及びお申込み方法などにつきましては以下のページを参照ください。
見学のご案内

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(注)マンホール蓋は、「マンホールふた」、「鉄蓋」、「人孔蓋」、「グラウンドマンホール」などとも呼ばれることがあります。